Agile Japan 2012 沖縄サテライトに参加したよ

沖縄のプログラマコミュニティ JavaKücheが去る2012年3月16日 (金)にAgile Japan 2012 の
サテライト会場として、那覇市のITカレッジ沖縄でAgile Japan 2012と連動したイベントが行われました。

午前中は大阪で行われているAgile Japan 2012のストリーミング中継を視聴し
午後は沖縄サテライト独自の企画が行われました。

一言、感想から言わせてください。

Agile Japan 2012 はとても楽しかったです。


沖縄サテライトではAgile Japan2012のキーノートセッション1、2とIPAの発表を視聴しました。
http://www.java-kuche.org/modules/eguide/event.php?eid=23

大阪で行われたAgile Japan 2012全体の内容はこちらをご覧ください。
http://agilejapan.org/program.html


キーノート セッション1: 10:10‐11:00
「The Surprising Science Behind Agile Leadership」
アジャイルリーダーシップの背後にある驚くべき科学について 〜

Jonathan Rasmusson 氏
http://www.agilejapan.org/program_keynote_1.html

タイトルの通り、アジャイルの根源を探るセッションでした。
詳細はJonathan Rasmusson 氏 のスライドをご覧ください。
http://twitter.com/#!/jrasmusson/status/180523409279696896

邦題:モチベーション3.0を途中で紹介されておりましたが随所でそのような考え方を思わせるお話でした。
途中、ダニエル・ピンクの講演のビデオに強烈な印象を受けました。
http://www.universalsubtitles.org/ja/videos/mr5VvPVVoYXS/info/RSA%20Animate%20-%20Drive:%20The%20surprising%20truth%20about%20what%20motivates%20us/

キーワードとしては
「自律・熟達・目的」
「注記: これはアジャイルよりも大きな話なのです。
どんな業界であれ、クリエイティブでちゃんとしたまともなスキルが必要になっていきます」

Rasmusson氏は英語で講演をなさっていたのでKenji Hiranabeさんが通訳をしていました。
(私はこの方をよく知りません)

セッションの冒頭で「時間がないので、通訳は最低限にしたいと思います」
という発言に吹きましたw
だいたいは通訳していましたが、時々端折ったりRasmusson氏の発言に突っ込だりしていて面白かったです。

Rasmusson氏の発表はゆっくりと丁寧な発音で簡単な単語で構成されたいたので、
なんとなくで30%くらい?理解できたのですが私の英語力不足を痛感しました。


キーノート セッション2: 11:00‐11:50
全体最適のマネジメント改革」
〜 変えるのは現場ではない、マネジメントである 〜

岸良 裕司 氏
ゴールドラットコンサルティング・ディレクター
日本TOC推進協議会理事
http://www.agilejapan.org/program_keynote_2.html

全体最適とかTOCのお話でした。

全体最適とは、全体を改善するのではなく、全体の制約に集中すること」
「現場はここ何年も改善されているのにマネジメントに改善の手が入っていない!今でもずっと昔のまんま!」
「マネージャーの方が若い人たちより技術に詳しいという状態はもう起こらない」
「若い人の方が基本的に優秀な世界というものは自然に存在する。管理者の立場に立った時に謙虚さが必要。 」
全体最適全体最適!って10回叫んで全体最適化をしようなんていう会社は『この会社あぶねぇなぁww』と思うわけですよ」
これ、吹きましたw

また「プロジェクトの外部環境が大事!内部はもう十分改善されている!」ということで
どうやって職場の理不尽をどう乗り越えるのかとか、面白いお話や簡単なマルチタスク実験をしたり話す(伝える)のが上手い!と思いました。(それがお仕事ですものねw)


IPAによる発表: 11:50‐12:10
アジャイルのABCに向けたヒント
IPA/SECの調査検討から見えてきたもの〜

山下 博之 氏 
独立行政法人情報処理推進機構
http://www.agilejapan.org/program_ipa.html

アジャイル開発の現状を調査してそれを淡々と報告されていました。
詳細は、月末か4月に報告書を出すそうです。

詳しくは報告書を!という感じでした。
(ごめんなさい、淡々としていて記憶が^^;)

ここからは午後の部、ここからは沖縄サテライト独自コンテンツでした。


オープンソースソフトウェアを活用したビジネス環境の創出へ

兼村氏、大城氏
琉球ソフトビジネス支援センター
http://www.ryukyu-soft.jp/

沖縄県のIT企業のOSSの使用を支援し、OSSを商材化(OSSベースの製品開発など)の
支援を行うセンターです。

そのためのOSS素材の品質やライセンス、メンテナンスの度合いなどを評価する仕組みを構築しておりその仕組みで"ダイヤの原石(OSS)を採掘し研磨する"を行い製品化などを支援行うということでした。

またOSSの人材育成支援も行うということで沖縄のエンジニアがOSSで開発することや、有名OSSのコミッタが現れたりするか、楽しみですね!

Redmine 導入してみた! - 失敗は糧になる -

宮里 匡 氏
株式会社オーシーシー

失敗は糧になる!
株式会社オーシーシーでのRedmine導入・活用事例についてお話されていました。

最初の導入時、多数の管理者、統制のとれていない設定、Redmineの仕様の理解不足や
Redmine自体の機能不足から限界を感じたこと、またその後Redmine自体のバージョンアップやサーバー自体を全社で使用している管理者多数の状態からの分離、Redmineの仕様の把握や業務の分析を行い設定を行ったそうです。

失敗もありつつも、今ではオーシーシーの中でインシデント管理や電子媒体管理などの業務でRedmineの使用が進んでいるということをお話されていました。

また社内でのRedmine導入のノウハウとして下記を紹介されていました。

広めるコツ

  • 先に実績を作ってアピール
  • メリットに気づいてもらう
  • キャッチコピー大事
  • スモールスタート大事
  • 面倒でも小まめな勉強会やフォローを行なう
  • 一緒に作り上げている実感を持つ
  • 感謝する

私は2年くらい前から何度かRedmineを使おうとしていましたが仕様理解不足などで挫折と失敗を繰り返していました。
これからも、失敗はあるかもしれませんが、変更が容易なのもRedmineの特徴なのでそれを生かしつつ日々のお仕事を継続的に効率よくなるよう改善できるといいなと思いました。

社内で便利なツールの存在や利用が広がるといいですね!(ちゃんとした設計や仕様理解が必須ですが)


-SCRUMで"原石を磨く" -

古賀 和幸 氏
株式会社エムティーアイ 上席執行役員 CTO
http://www.mti.co.jp/

すごかったです。

Water Fall はHuman Fallだそうです。

コンサルタントを入れてウォーターフォールをほぼ完璧にやっていた」
ウォーターフォールがうまくいくほど失敗が多くなる」
「プロジェクトがいつも遅れているのでパーティションが大事だと思われていた」
「最高のスペックのコンピュータを与えてパーティションを全部はずした」
参考:http://twitter.com/#!/tkmnow/status/180547602411036672

本当に人が育つSCRUM開発。

先輩・後輩のペアプロで一番伸びるのは先輩 なぜか?

  • 手抜きができない
  • 正しく教えなければならない
  • ちゃんとやる
  • テストコードもちゃんと書く
  • かっこいいところを見せたい

SCRUM開発のプロダクトバックログはいい。

「TDDをやると設計書とテストコードと要求書ができます。必要なメソッド・クラスしか設計されません。
使わないメソッドは存在しなくなります」
「TDDのメリットテストがあると安心してソースコードを壊すことができる。」
「CIも大事。」

SCRUM開発については「成功を見ると、みんなやりたくなる」だそうですw

那覇にもオフィスがあり、東京オフィスとSkypeで常時接続した環境でアジャイルチームを作っているそうです!
また「SCRUMで沖縄IT業界を元気に」と仰っており、MTI自体、今後2年半でエンジニアを200名ほど増やすそうなので、とても盛り上がっている!と思いました。

また人材を非常に大切にしており「ダイヤの原石を磨きダイヤモンドにし、スポットライトを当てる」のが会社の役目じゃないかと思っていると言っていました。

こういう考えの方がCTOの会社は正直羨ましいと思いました。
しかもトップダウンでSCRUM開発を進めています。

SCRUM開発導入に関しては、知っている人を入れることや、コンサルタントの導入などをしないと無理!だそうでMTIもそういった"知っている人たち"の支援を仰ぎながらSCRUM開発を導入していったそうです。


それぞれのセッションの感想は以上です。

今回のAgile Japan 2012 沖縄サテライトで 私個人、とても刺激を受けました。
また、様々な事例や考え方に触れて改めて自分の身の回りの環境について考えさせられました。

素晴らしい講演ばかりで本当によかったです!

JavaKücheのみなさん、ありがとうございました!

最後に、この記事を書くにあたってTwitterの#aj12 #aj12okで呟いて頂いた方々のTweetを参考(というか引用も)にさせて頂いています。
ハッシュタグTweetして頂いた皆様、ありがとうございます。
ほとんどはスピーカーの発言を取り上げるために参考にさせて頂きましたが問題があればお知らせください。